〈基本パネル〉
楽器群の後に付く数字について
・奏法の違い(ストリングス・弦、管のソロなど)
・含まれる楽器の違い(ブラス・トゥッティなど)
・楽器そのものが異なる場合もある(ギターなど)
ヴォイスコンディション・ページ1 鍵盤に関する設定
イニシャル :鍵盤がセンサーを通過する早さを算定して音の強さに置き換えている
アフター :鍵盤に掛かる負荷を音の大きさ、音色変化に置き換えている(最大2㎏)
ホリゾンタル:ピッチの幅の設定 弾き手の癖に注意する
※タッチに関する事柄=同一鍵盤上の一つの音の変化に対して、全ての音が左右される 出音に関する設定
パン :ステージ上の左右の位置と考える
音色によってはセンターに設定してもセンターに聞こえない場合がある
リバーブ :ステージ上の奥行きと考える
但し、ただ座る位置ではなく楽器ごとの発音の構造によって変化することを考慮する
ベース関係は極力リバーブ・データを少なくすること
パーカッションのリバーブはジャンルによって掛け替える
クラシックは24 ポップス系は少なめ
ページ2 エフェクト
プリセット :音色によっては最初からエフェクトを選択しているものもある
トレモロ :元々オルガンのスピーカーのロータリー効果
発音の構造上生楽器に掛けることは殆ど無い
シンフォニック :複数で演奏した音に変える効果
Vl.→St.のように音色を変えた方が良い場合が多い
寧ろトゥッティ関係の音色に掛けることがある
ディレイ :木霊(エコー)の効果
2
タイム→次の音が返ってくるまでの時間
フィードバック→返りの音の回数
バランス→弾いた音と返ってくる音の大きさ 50%で同量
モード→STの場合はフィードバックする音が左右に移動する
フランジャー :フラッター効果 うねりを与える
ディストーション:音をわざと割れたようにする効果 歪みを与える
ページ3 ビブラート
プリセット:音色ごとに設定されている 例えばピアノは全く掛かっていない
ディレイ :打鍵から掛かるまでの時間を設定
フレーズの速さによって掛け換えるのが理想
デプス :深さを設定 楽器にビブラートを掛ける構造を理解しておくこと
同じSt.1でも1St.Vlとして使うかV.C.として使うかで設定が変わる
スピード :速さの設定 デプスと同じ 楽器を把握することが大切
※St.及びソロ楽器の時に設定し直すことが多い
フロントページ リバーブ
タイプ :クラブ系などの曲はル-ムを使用 殆どの場合ホールを選択 チャーチは稀
レングス:リバーブが掛かる時間を設定 レベルを上げるとより長く掛かる
デプス :深さの設定
通常のホールでは16~20 楽器の台数が多くなるほど切る傾向にある
※PAリバーブを使用する場合は全て0設定
箱(ホールなど)の状況(主に壁や床の材質)、ステージの高さ、座席の位置または客の入り、季節(客の衣服)などに左右される サスティン※ピアノのダンパーの代わりとして使用するほかに、余韻の付加にも使う トレモロ ※ヴォイスメニューの他に、オルガントーンにも掛けることが出来る
〈音色作りの手順〉
1 フレーズに合わせた音色を選ぶ(パッセージの速さ、強さ、明るさなど)
フレーズの厚みによっては、オケ1・2、リード1・2と重ねる
2 必要が有ればエディットする 若しくはヴォイスディスクから移す
3 ブリリアンスの設定
4 パンの設定
3
5 リバーブ設定、必要ならサスティンを掛ける
6 ビブラートの設定変更
7 必要が有ればディレイなどエフェクトを掛ける
8 場合によってリードのチューンを上げる(主に速いパッセージを際立たせるため)
※ディスク参照
〈その他の注意事項〉
○ソロ系なのかアンサンブル系の音なのかをまず決めてから、音色を選ぶ
○複数のELで同じ種類の音(例えばSt.など)を出す場合でも、一人をリードオンリーにしてみたり、同じ音群でも中身を多少変えてみたりした方がよい とにかく同じものを楽器の中だけでなく重ねない
○下位機種へのレジスト移行をスムーズにするためには、主要音色をユーザーに移しておくと後が楽(あとから一つの音の音量、音質を変えたいとき一気に変えられる) またオケ2・リード2が無い機種のため、必ず1からレジストを埋める
○大きなホールで鳴らしたとき(特にPAを通しスピーカーから音を出す場合)狭い部屋の中と音が変わることに注意 高音域の音は広い場所で鳴らすときほど、抜けやすい 稀にホールによってはピチカート(特にベース)が突出する場合がある またKA75を使用する場合、低音が頼りなくなる傾向がある
○小さい子の場合、下鍵盤の方がタッチコントロールをしやすいので、片手奏だからといって上鍵盤だけ使う必要はない
○エクスプレッションを使用できない場合も多いので、レジストチェンジで強弱を付けるために、ピアノの子、まだエレクトーンの操作に慣れていない子は特に、レジストを手替えする休符を最初から考えておく また上下鍵盤を同時に使用する場合、出来るだけフレーズ感、発音、強弱の揃ったものにする 一台に二人座る場合も、そのような配慮が必要
4
リハーサル
〈本番でホールPAを使用する場合〉
ブースの中ではラインからの音のみしか聞こえないので、実際に会場で鳴っている音とエンジニアが聴いている音は違うことを意識してリハを行う
1 可能なら本番使用楽器を揃え、指揮者の位置に人が立った状態で全ての楽器の音量が同じに聞こえるように基本レジストで本体の音量を決めガムテープで固定する
※この場合の基本レジストとは、ビブラート、タッチトーンを全て“0”にし、パンもセンターにした状態 パネルの音量も全て同じ クラリネット1を使用する場合が多い
2 曲を通して、バランス、音質の手直しをする
◯要するにある一点で聴いてバランスを取る、つまり観客の立場でリハをする方法
○本番エンジニアが弄れるのは細かいニュアンスではなく、一台ずつの音量止まりと思っておいた方がよい
〈本番で会場内にPA卓を設置する場合〉
エンジニアは観客と同じ音を聴きながら、調整をすることが出来る
1 本番使用楽器を揃え、簡単なものでも良いのでPA機材に全てのELを繋ぐ
2 基本レジストでPAに刺したヘッドホーンで本体の音量を揃えガムテープで固定する
3 曲を通して、バランス、音質の手直しをする
4 本体ヘッドホーンジャックにホーンジャックを刺しスピーカーの音を消し、PAから繋いだ全体の音が聞こえるスピーカーでチェックする
電子楽器をホールで使用する理想の状態のPA
だが、だからといって、細かい強弱、一台ずつの音色・音量の大幅なずれなどの修正を求めるのは避ける PAは万能ではないし、会場リハの時間が余りとれない場合には極めて危険
5
〈PAを一切使わず本体のみでコンサートを行う場合〉
本体スピーカーがモニターであり且つ、会場への音を提供する
1 本番使用楽器を揃え、本番通りの配置で、指揮者の位置に人が立った状態で全ての楽器の音量が同じに聞こえるように基本レジストで本体の音量を決めガムテープで固定する
2 この状態のまま曲を通して、バランス、音質の手直しをする
楽器の配置によっては、客席にスピーカーが向く楽器と向かない楽器が出来る
ステージ、若しくは演奏者の周りでは極めてアンバランスな音が鳴るので、アンサンブルの教育的意味を良く果たせるとは言えない
〈その他の注意事項〉
○スピーカーにはモニターと客席に音を届ける二つの役割があるので、理想は自分の音も聞こえながら、ホールで鳴っているはずのバランスの全体の音がステージ上でも聞こえること
○子供は自分の音が聞こえない、と言うが、聴こうとしていない、若しくはアンサンブルの中で自分の音を聴く訓練をされていないから、聞こえないのであって、要求を全部呑んでいては、良いアンサンブルは出来ない
出来れば本体の音を消して、全体の音だけ聴いて弾く練習も取り入れた方がよい
沢山の音の中から、必要な音を聴く、また全体の中で必要な音を出す、という訓練は、ソロ演奏でのバランス感覚を養うことにも繋がる
コメント