第1章
エレクトーンを使ったアンサンブルの特徴
(1)
ハード面
・
エレクトー ンアンサンブルのコンサートでは、 全ての楽器を一旦ミキサーに通す
場合が ほとんどです
・
PAからはステージ上ではどの楽器がどの音色を出しているか見た目では分からない
の で 、楽譜や配置図を整備する必要がありま す
(生バンドではステージを見たら一目瞭然ですが、 エレクトーンは全て同じ見た目をしていますから
、 PA さんはたとえベースが小さいなと思ってもどの
エレクトーンのレベルをあげたらいいか 見ただけでは判断できません)
・
PAの仕事 とは、会場内でのトータルのバランスを取る仕事です
リハーサルも大事ですが本番お客様が入ると、ホール内の音は変化します
これを本番、聞きながら修正してくださるのがミキシングを担当するのがPAさんで、この方に正確な情報が渡っているかどうかがとても重要になります
・
ミキシングとは 上に書いたように、どうしても個々の 楽器エレクトーンの音色だけではバランスが取れないとき、それぞれの楽器からラインで取り込んだ音を一旦ミキサーに採り入れ 、 バランスを取り直てから再度スピーカ ーへのラインに乗せることを言います
・
モニタースピーカーは 自分の出している音を聴くための物 でエレクトーンの場合本体のスピーカーをモニターとして使う場合が多いです
その時の注意としては、ELSの場合 裏側のスピーカー からも発音しますが、これは切っておいた方が得策 だと思います
なぜならせっかくPA でバランスを取ってもらってもその音が会場に漏れると、客席側でのバランスが崩れてしまうからです
・反して会場スピーカー会場スピーカーは、客席に音を届けるものですのでは、客席に音を届けるものですのでPA側が側が操作することになります
但し自分の音だけ但し自分の音だけしか聞こえないと、いくらミキシングしてもらってもしか聞こえないと、いくらミキシングしてもらってもエレクトーンの台数が多くなるほどエレクトーンの台数が多くなるほどPAPAの仕事量が多くなり質の良いの仕事量が多くなり質の良いミキシングをお願いすることが難しくなります
そこでステージ上ではもう一つ、モニターの他にステージ上の演奏者にそこでステージ上ではもう一つ、モニターの他にステージ上の演奏者に全ての演奏者の音を聴かせるためのスピーカーが必要になります全ての演奏者の音を聴かせるためのスピーカーが必要になります
・
以上のことをふまえて、指導する側は、モニタースピーカーモニタースピーカー(自分の音)と(自分の音)とアンサンブル全体の音をアンサンブル全体の音を出している出している舞台上のスピーカー舞台上のスピーカーををメンバーにメンバーに良く聴くよう指示を出さなければいけません
このことの徹底が良いアンサンブル音楽を創り出す基本となりますり出す基本となります
必要な知識:
PAとはとはPublic AddressPublic Address((パブリック・アドレスパブリック・アドレス))のことで一般に英語でのことで一般に英語で
放送設備を意味する言葉です
ミキシング(Mixing)(Mixing) ととは複数の音声信号をエレクトーンの場合はは複数の音声信号をエレクトーンの場合は
デジタル回路を使用して、音色加工(エフェクト・リバーブなど)をしたり
音量などフィジカル・コントロールする事を言います
(2)ソフト面
☆
☆ソロ演奏ではなかなか達成できない、演奏の負担が軽いから出来るソロ演奏ではなかなか達成できない、演奏の負担が軽いから出来る
「 音楽としての完成度音楽としての完成度 」を体験させる」を体験させることができますことができます
・音を聴きながら演奏することの難しさ(バランス・表現)ことの難しさ(バランス・表現)
・音楽の中の自分のパートの役割を知ること
クラシック=主旋律・ハーモニー・副旋律・ベースライン
→構成感やフレージングを学ぶ
ポップス=メロディ・ハーモニー・ベース・リズムパート
→バンドの構成やノリを学ぶ
・音色による奏法の違い
・表情・強弱を付けること
☆
☆生徒それぞれの能力に見合った指導と不足している力の底上げのために生徒それぞれの能力に見合った指導と不足している力の底上げのために各々に合った課題を与えることができます各々に合った課題を与えることができます
・等拍感の薄い子・等拍感の薄い子
==他のパートを是が非でも聴く必要のあるパートを振る他のパートを是が非でも聴く必要のあるパートを振る
・個人レッスンで・個人レッスンでピアノを選択しピアノを選択している子ている子
=ピアノの曲を弾くにも音色感は必要=ピアノの曲を弾くにも音色感は必要
ATアフタータッチアフタータッチを多用する音色のパートは避けるを多用する音色のパートは避ける
・カデンツ感の弱い子、伴奏付けが苦手な子・カデンツ感の弱い子、伴奏付けが苦手な子
==リズム(伴奏)を担当するパートを当てるリズム(伴奏)を担当するパートを当てる
メロディを聴きながら弾く事の重要性を学べるを学べる
ワンポイントアドバイス:
音楽的に仕上げるためには箇々の能力の限界を見極める事も大切ですがためには箇々の能力の限界を見極める事も大切ですがこの機会に出来るようになって欲しい事をはっきり明言することによりり明言することにより保護者の理解を得ることで「うちの子には一度もメロディがなかった」というようなクレームを防ぎたいものですね
(1)クラシッククラシック
オーケストラ・スコアのまとめ方 →音色の作り方→音色の作り方にも繋がりますにも繋がります
Electone
Electoneは生楽器の音を想定して音色が造られているため、本来の楽器の特徴は生楽器の音を想定して音色が造られているため、本来の楽器の特徴を知ることが大切を知ることが大切です
ここでは割愛しますがそれぞれの楽器の音域、特に実際使用される「実用音域」を知っておくことも大切ですを知っておくことも大切です
スコア譜で書かれている順番に解説したいと思います
木管楽器 WoodwindWoodwind
Pic. どんな大編成の中にあってもはっきりと明瞭に聞き取ることが出来るどんな大編成の中にあってもはっきりと明瞭に聞き取ることが出来る
フレーズの輪郭を際立たせるために用いるフレーズの輪郭を際立たせるために用いる
Fl. ソロもとるが、ストリングスの補強としてメロディラインに用いるソロもとるが、ストリングスの補強としてメロディラインに用いる
極端なクローズド・ハーモニー極端なクローズド・ハーモニー(密集)(密集)は避けるは避ける
ELに於ける3の音はジャズ系に於ける3の音はジャズ系
ELに於ける4の音は音色固定のビブラートが掛かるに於ける4の音は音色固定のビブラートが掛かる
Ob. Fl. Fl. のの1oct.1oct.の下でメロディを補強するの下でメロディを補強する
最低音付近では表情に乏しい最低音付近では表情に乏しい
ELELに於ける3・4の音は音色固定のビに於ける3・4の音は音色固定のビブラートが掛かるブラートが掛かる
Cl. 木管楽器群の中で最も広い音域と自由な表現力を持つ木管楽器群の中で最も広い音域と自由な表現力を持つ
オケ曲のブラスバンドへの編曲ではしばしばこの楽器がオケ曲のブラスバンドへの編曲ではしばしばこの楽器がSt.St.の代役をの代役を担う担う
ELに於ける2・3の音はジャズ系に於ける2・3の音はジャズ系
BCl. アンサンブルでの低音域を担当すアンサンブルでの低音域を担当す
魅力的な音色は個性的なソロにも用いる
魅力的な音色は個性的なソロにも用いる
E.H. →→Cor AnglaisCor Anglais 表情豊かな旋律を得意とする表情豊かな旋律を得意とする
Fg. →→BassoonBassoon 中・高音域の音は表情に富んでいる一方、跳躍も得意中・高音域の音は表情に富んでいる一方、跳躍も得意
Fl.の2の2oct.oct.下でメロディ補強をする下でメロディ補強をする
2Cl.+2+2Fg. Fg. 22Hr.Hr.+2+2Fg.Fg.は融合は融合した四声和声を響かせるした四声和声を響かせる
Sax. テナーはテナーはTrb.Trb.との相性が良くユニゾンで演奏されることが多いとの相性が良くユニゾンで演奏されることが多い
この楽器のみでのアンサンブルはオープン・クローズ・セミオープンこの楽器のみでのアンサンブルはオープン・クローズ・セミオープン
共に良く響く
ブラスバンドのオケ曲への編曲ではしばしばこの楽器がブラスバンドのオケ曲への編曲ではしばしばこの楽器がSt.の代役を担う
金管楽器 BrassBrass
Tp. 3~4本の3~4本のTp.Tp.のヴォイシングはクローズド・ハーモニーを使うのヴォイシングはクローズド・ハーモニーを使う
他の金管と共にタンギング奏法であるため、ほとんどスラーを他の金管と共にタンギング奏法であるため、ほとんどスラーを表記しない
Trb. 全てのヴォイシングが可能であるがオープンは重厚なサウンド全てのヴォイシングが可能であるがオープンは重厚なサウンド
ポルタメント奏法を得意とするント奏法を得意とする
Tuba 大量に息を消費するので保続音は困難大量に息を消費するので保続音は困難
大きい割には機敏な音運びも出来る大きい割には機敏な音運びも出来る
Hr. 表現力・色彩感が豊かであらゆる楽器と融合する表現力・色彩感が豊かであらゆる楽器と融合する
4本使用するケースが多いが、交叉法を以てヴォイシングする4本使用するケースが多いが、交叉法を以てヴォイシングする
記譜に調号を用いない記譜に調号を用いない
弦楽器 StringsStrings
Vl. 11st.st.6プルト6プルト 22nd.nd.5プルト5プルト
全ての弦楽器に言えることであるが、記譜、スラー(運弓)に注意
弦楽器全体で交叉法を以てヴォイシングする弦楽器全体で交叉法を以てヴォイシングする
divisidivisi→→ 一つパートの中で声部を分けて演奏する一つパートの中で声部を分けて演奏する
harmonicsnics→→ 倍音を用いた演奏倍音を用いた演奏 音符の上に○が書かれている音符の上に○が書かれている
sul tasto→→ 指版側で演奏する指版側で演奏する 柔らかい音色柔らかい音色
sulponticello→→ 駒の上で演奏する駒の上で演奏する ヒステリックな音色ヒステリックな音色
sordino→→ 弱音器を付ける弱音器を付ける ELELではでは88の音色の音色
Vla. 4プルト4プルト
Vl.よりくすんだ印象の音色よりくすんだ印象の音色
V.C. 3プルト
Vla.より豊かな音色を持つより豊かな音色を持つ
豪快さと繊細さを備え、表現力に富む豪快さと繊細さを備え、表現力に富む
C.B 2プルト2プルト
→Double Bass.Double Bass. クラシックでは5弦のクラシックでは5弦のC.B.C.B.も使用されるも使用される
Fl+1st.st.VlVl、、Ob+2Ob+2nd.nd.VlVl、、ClCl+VC+VC、、Fg+CBFg+CBは旋律を補強するのによく使われるは旋律を補強するのによく使われる組み合わせですです
レジストを作るときの参考にして下さい
これらのことを把握した上で楽譜をかくとアンサンブルの人数に合わせてどのパートを省いたらいいか、
どのパートを省いたらいいか、どのパートを重ねて一人で弾かせればいいか、どのパートを重ねて一人で弾かせればいいか、など少人数のアレンジの悩みなど尐人数のアレンジの悩み、また大人数の時どのパートを増やせばいいか、また大人数の時どのパートを増やせばいいかなどの悩み事の解決に繋がると思います
☆人数が多いとき
例えば例えば1212人のアンサンブルをするとします人のアンサンブルをするとします
どの楽器に何人振ればいいのでしょう?どの楽器に何人振ればいいのでしょう?
この時オーケストラの実際の人数を想定してみてくださこの時オーケストラの実際の人数を想定してみてください
木管:金管:弦の割合は木管:金管:弦の割合は12:10:30
標準的なオケだとこういう数になります
それをそれを12人に置き換えると
高音域木管2 低音域木管1
金管Tp.1 Trb.1 Hr.1Tp.1 Trb.1 Hr.1
高弦3 低弦2 その他1
こんな割り振りになると思います
☆人数が尐ないとき
先程の補強の説明を利用します
1stVl.+Fl 21stVl.+Fl 2ndnd+Ob Via++Ob Via+Cl. V.Celo+Fg.Cl. V.Celo+Fg.
このように一人のパートをまとめることもできますし力量のある子供達なら極端に言えば
木管1人 金管1人 弦1人
でも演奏可能なわけです
この辺りはトライ・アンド・エレラーで修得するしかありませんが参考になると思います
(2)ポップスポップス
スタイルを無視しては編曲できません
特徴を把握するのはとても大事なことですとても大事なことです
リズム ONON OFF(After)OFF(After)
4ビート マーチ・タンゴマーチ・タンゴ スウィング・バウンススウィング・バウンス(シャッフル)
8ビートート ボサノヴァ・ビギンボサノヴァ・ビギン ロック・ロックンロールロック・ロックンロール
ヘビー・ロックヘビー・ロック
ルンバ・チャチャチャ・マルンバ・チャチャチャ・マンボンボ 他
16ビートビート サンバ・サルササンバ・サルサ フュージョンフュージョン
3ビート ワルツワルツ ジャズワルツジャズワルツ
他ロッカーバラードなどの12/8系、レゲエ、アフロ・キューバンなどの特徴系、レゲエ、アフロ・キューバンなどの特徴的なものも的なものもありますあります
※ オブリガートは固有のバッキングリズムELのABCを出してみるとのバッキングやオブリガートを使用したらいいかがわかりやすいですです
○ドラム・ベース・ピアノ・ギターを総称してリズムセクションと呼びこれらはソロ楽器としても使用されるものもあるが、概ねその曲のリズムを支える重はソロ楽器としても使用されるものもあるが、概ねその曲のリズムを支える重要要なポジションとなるなポジションとなる
○ギター・ベースはスコアによってタブ譜が使用されることもあり注意が必要
○スコアの管楽器は移管に注意→クラシック参照
○ベースとドラムのバスドラのパターンの一致、コード楽器であるピアノとギターのポジショニングには十分気を付けるターのポジショニングには十分気を付ける
○とにかく元曲の音源を良く聴くこと EL譜になっているものも多いが、ソロ譜になっているものも多いが、ソロ用に簡略化されている場合が多く、大人数のアンサンブルの場合元の形に戻す用に簡略化されている場合が多く、大人数のアンサンブルの場合元の形に戻す
○音色=使われる楽器、はリズムによって限られる
目安として、ラテン系はアコースティック、ロック・フュージョン系はン系はエレキ系
リズム発祥の歴史を知っておくと、分かりやすい
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