私の生徒さん達の中にも、最初は「子供の頃に弾いていたから、もう一度弾きたくなって」とおっしゃって、長い方で10年くらいブランクがあっても、習いに来られる方がたくさんいらっしゃいます。
そしてそんな方たちでも、ずっと続けているうちに、グループの他の方が受験するのを見て、とか、いずれはJetなどエレクトーンの指導者になれたらいいな、と入会当初口にされていた「趣味」がいつしか「グレード受験」変わっていき、合格していかれることが本当に多いのですよ。
余談ですが、電子オルガン科を卒業後、数年教えていらしてご結婚、退職。子育てをされながら全く違うお仕事もされていた方が、お子さんのレッスンのために楽器を買われ、自分も弾きたい、と本を買っては好きな曲を弾かれていたらしいのですが、「やり残したことがあるような気がする」とレッスンにお見えになるようになられ、私も吃驚する速さで3級に合格されました。
自分で弾いていらした時間はともかく、お話からはレッスン受講自体は15年以上空いていたのではないかと推測されます。それでもご自分用の楽譜を選び、ずっと練習されていたのでしょう。
毎週レッスンでお会いしていて、本当にエレクトーンが好きなんだなぁ、と感じられる方です。
さて「グレードのためにどんな勉強をしていけばいいか」というご質問について、一言でまとめるならば、上記のとおり「今まで通り楽しんで、たくさん曲を弾いてください」と、まずはお答えしたいと思います。
グレードの各科目は、曲から学ぶことが大変多く、弾いたことがないもの(ジャンル・リズム・伴奏パターンなど)を、初見や即興で演奏できる訳はないからです。
そういった意味で、曲調や作曲者が偏らないように、出来るだけ今まで手をつけなかったものにも積極的に取り組んでください。
たとえばビギンの曲を弾いたとこがないのに、レジストを決めたり(使用される楽器を知る)、テンポを設定したり、フェイクしたりすることが、とても危険だということは分かっていただけますよね?
次に、今現在どなたか先生についていらっしゃるか、また何級を受験したいのか、ご質問からは分からないのですが、5~3級でしたら「ヤマハ音楽能力検定・要項」を熟読してください。
近年、改訂が有りましたので、用意する曲数が5年以上前とは変わっていますし、書かれていることを守らずに受験される方は少ないですが、書かれていないことが、さも本当のように「噂」として広まっている、と感じることが有るからです。(たとえば当日試験官が聞かせていただく曲数は、どこにも書いてありません。)
それから後一つ、「趣味」から「グレード取得」に切り替えて勉強されるとき、気を付けていただきたいのは“スタンスが変わる”ということですね。
9~6級学習者グレードは、ここまで頑張ってきた自分の音楽能力のレベルを確かめるものですが、5~3級は“指導者のため”の“演奏力”を諮(はか)るグレードであるということです。
「習う」から「教える」へ。
自分の好きなものだけ弾いていて良いわけはないですよね?
その日の生徒さんの状態に合わせて、臨機応変にレッスンできないと困りますよね?
5級以上を取得するということは、教えられる力を身につけるということなのです。
でもだからといって難しく考えすぎないでください。
中村さんの仲間はたくさんいらっしゃいますから。
気構えたりせずに、今まで通り楽しみながら、どんどんグレードにチャレンジしてくださいね!
コメント