今までも幾度か初見について書かせていただきましたし、他の先生方のご意見もたくさん掲載されてきました。
下に、おさらいとしてランダムにまとめてみます。
1スケール・カデンツの練習をする
2色々な伴奏型の経験を積む
3転調を含む場合が多いので近親調を素早く思い出せるようにする
4弾いている小節よりできれば一小節くらい先を読む
5楽譜を読むときに、構成や転調など音楽を大きく捕らえるように気をつける
6音符以外の情報、拍子・表情記号、強弱などもきちんと表現する
7色々なジャンルの既成曲を弾く(ABC機能を使用していない楽譜)
私が日々のレッスンをしていて感じることは、初見の苦手な人は得意な人よりずっと多いということです。
ところが上のような練習を重ねていくうちに、苦手だった人たちが少しずつ初見を克服していかれるのですが、そのスピードに若干違いが現れることがあるのです。
スピードが上がりにくい人たちに共通している事柄が「既成曲を弾くとき、暗譜をしてしまう」ということでした。
つまり手元を見ていないと弾けないので、仕上がるときには「暗譜状態」になっているということですね。
暗譜自体は決して悪いことではありません。むしろとても大切なことです。
問題になるのは「手を見ないと弾けない」ということ。
もう、お分かりですね?
いつも手を見て弾く癖を付けてしまうと、初見のとき、視線が楽譜と鍵盤を行ったり来たりします。その結果、楽譜を見誤ったり、手元から楽譜に視線を戻したとき、どこを見たらいいか迷ってしまったりしてしまうのです。
ということで、上記の練習の他にあともう一つ、「ブラインド(手元を見ない)で弾く練習をする」ということを心がけてみてはいかがでしょう?
絶対手を見ないで既成の譜を弾く、という練習も出来るでしょう。
またパソコンを扱われる方は、チュートリアルでキータッチの練習をしたとき、徐々に問題が難しくなるという経験がおありだと思うのですが、曲のブラインド演奏が難しい場合、スケール・カデンツなどの優しいものから練習を始めてみられると、良いと思います。
1常に同じ場所に座る(私は足を見ないで高い「ド」を弾ける位置を勧めています)
2間違っても直ぐ手元を見ないで手や足の感覚で修正してみる
この2点、いつも気をつけてくださいね。
参考までに、私が、グレードを受験する自分の生徒さんたちのために書いた練習用の楽譜を載せてみました。(Ⅴ7の部分を特に注意してください。導音の重複を避けて書いてあります。)
実際に使う事を考えて、左手がカデンツ、右手がスケールになっています。(短調は旋律的短音階です。)手始めにこれくらいのものをブラインドで弾く練習をしてみられたらどうでしょう?
譜1:Dur 譜2:mollそれぞれのスケールの後に、今回オマケでブロック奏+アルペジオのものも書いてみました。
初見が「超」苦手だった方が、これを様々な調、左手を全ての転回型※で練習したら、とても楽になった、と言われていました。(5級も無事合格されましたよ)
もちろん、即興A・Bにも役に立ちます。
それからYECにエントリーする私の演奏講座の子ども達にも最初に必修課題として与えています。
転調した楽譜を自分で書いて、地道にコツコツ練習した子が即興の力をつけたのは、言うまでもありません。
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