重音奏についてのお尋ねです。結構曲の仕上がりに影響を与える重要な奏法ですので是非マスターしていただきたいものです。
重音奏にも色々な方法がありますが、今回はメロディが切れない弾き方ということなので、特にそこを中心にお話ししたいと思います。
エレクトーンの特徴として重音のときの音色に、メロディを際だたせるためリード1や2が入っている場合が多いですね。これを絶対意識して頂きたいのです。
まず打鍵。
全部の「指が同時に着地」というのが理想ですが、高い音が優先して鳴るというリードの特徴を考えると、最高音を弾く指が一瞬でも先に鍵盤に触れないといけません。
そして離鍵。
今度は最高音が最後に離れないとリードの音が下の音に移動してしまいます。
要するに一番高い音を弾く指が他のどの指より先に鍵盤に触れ、最後に離れる、が理想なわけですね。
ここで譜をご覧下さい。ピアノ曲ですが和音が連続しており、例にはうってつけかと思い選択しました。
まず、指使いを良く見てください。必ずしも5の指ばかり使っているわけではないですね。ですからエレクトーンの譜面を弾くときには、つなげたい音をどの指で弾けばいいのか考える必要があります。自分で色々試してみたあと、先生にもお尋ねになって下さい。
その上でまずその指使いで一番上の音だけ(和音にはせず単音で)つなげて弾く練習をします。
その後和音を一緒に弾いてみましょう。
巧くいかなければまた単音練習に戻ります。これを何回か繰り返してみてください。
また和音練習の時、リードの音色にわざとスライドを大きな値で掛けてみてください。最上音が前述の「最初に触れて最後に離れる」が出来ていないときはとてもおかしな音が鳴ります。本当に綺麗に弾けているときはメロディ以外の音が混じることがないので、自分の弾き方が正しいかどうかが良く分かると思います。
更に付け加えるならば、セッティングされた音色が何かも一緒に考えていただけると更に仕上がりが良く聞こえるでしょう。
弦楽器なのか、木管楽器なのか。この二つは比較的楽譜に特殊な指示がない限り出来るだけレガートに弾きます。
但し管楽器の場合は例えスラー(ブレスのために書かれたもの)が書いてあっても「タンギング」を意識して一つの和音ごとに弾き直すくらいのつもりで弾いていただくと綺麗だと思います。
ビッグバンドの曲やブラスバンドの曲の場合はこれを意識してください。
またそれらが混じっている時は、一番目立つ音(概ねリードに配置されています)を中心に弾き方を決めていただけると良いと思います。
そしてどんな奏法も同じですが最後は自分の耳で確認です。弾くことに精一杯にならないように、指を動かしつつも耳を澄ましてご自分の出されている音を聴いて何度もトライしてくださいね。
素敵な演奏が出来るようになりますよう願っています。
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